天然茶カテキン ポリフェノン
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三井農林の茶カテキン、ポリフェノンEが医薬品主剤として世界初の商業化へ
2005年1月5日

三井農林株式会社(本社:東京、社長:賀好弘志)は、茶葉から抽出した茶カテキンの研究開発と商業化において世界をリードしてきました。2004年度は、飲料メーカーが茶カテキン入り緑茶に注力していること、飲料以外の用途も急速に広がっていることから、茶カテキンの年間売上高を70億円と昨年度比倍増と見込んでおります。

さらに、茶カテキンには、優れた抗菌、抗ウィルス作用があることから、三井農林では当社製造の茶カテキンである「ポリフェノンE」(登録商標)を使って医薬への活用に取組んできました。
今般、ドイツのバイオテクノロジー会社メディジーン社が、アメリカにおいてポリフェノンE軟膏を用いたコンジローマ(パピローマウィルスによる皮膚疾患)の治療試験(臨床第3相試験)を行い、高く且つ持続的な有効性と優れた安全性を示す臨床結果を得ました。同社では、既に昨年春ヨーロッパにおける同様の臨床試験に成功しており、これにより、2005年春には米欧の当局(FDA)に新薬販売認可を申請する予定です。
コンジローマは、良性ではあるが伝染性の腫瘍で、難治といわれています。北米では約1400万人、ヨーロッパでは1500万人が、その原因であるパピローマウィルスに感染しているとされています。メディジーン社は、米欧の大手医薬会社と提携し、この新薬を2006年から販売する予定で、その売上高は年間百数十億円以上になると予測しております。また、試験結果からポリフェノンE軟膏は他の皮膚疾患(皮膚がんの前駆症状)にも有効とみられることから、将来的には数百億円程度の市場規模となる可能性を有しております。

以上の通り、茶の成分(茶カテキン)であるポリフェノンEを主剤とする医薬品が、早ければ2006年中には認可され商業化される可能性が高まっています。このことは、茶の抽出物のみならず天然植物抽出物が、米国FDA規格において世界で初めて原薬として認知され商業化されることを意味し、画期的な意義を有しております。
これに呼応し、三井農林では、原料手当てから原薬製造まで一連の投資に着手し、原薬の供給体制の整備を進めています。具体的には、中国に茶原料および中間原料基地を確保しました。また、ポリフェノンE商業生産のため製薬会社であるアルプス薬品工業株式会社〔岐阜県〕の工場施設を借受け、三井農林が約4〜5億円の投資を行って製造設備の設置に取組んでいます。さらに、三井農林は、ポリフェノン事業統括本部にポリフェノンE原薬事業部を新設し、社内体制の強化を図っています。

一方、三井農林では、別途ポリフェノンEを使い、がん予防薬の開発に取組んでいます。
1997年以来、米国有数のがん研究機関と協力して、米国の著名な大学研究所、医療機関研究所8ヶ所でポリフェノンEを使った多種類のがんに対する予防薬としての臨床実験を行っています。
がんの前駆症状(発病前だが兆候あり)に対し、ポリフェノンEを投与することにより、いかに進行がおさえられ、症状が改善するかという臨床実験で、第2相試験が進行中です。
米国では、100兆円にも上るといわれる医療費の削減のため、副作用の少ない天然物を予防薬に活用しようとする研究に大きな期待が寄せられています。前述のがん研究機関では、多種多様の天然植物抽出物による予防薬の開発に取組んでいますが、中でも茶抽出物を重視し、三井農林の協力を得てポリフェノンEによる臨床の成果に期待を寄せています。ポリフェノンEが、がん予防薬としての臨床実験に成功すれば、この流れに大きな弾みをつけることになります。

以上の通り、三井農林では、ポリフェノンEを使用した医薬ビジネスを5年後には 100億円程度の売上げ規模にすべく体制を整えています。また、食品分野においてもこの高度な茶カテキンの研究・開発力を生かし、ポリフェノンを大きなビジネスに育て上げる計画です。

以上
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三井農林株式会社